モビリティ未来像(自動車編) ~自家用車減少時代の日系OEMの活路~
2026年4月
ベイカレント・インスティテュート
若林 哲
本稿では、モビリティ産業の未来を探る全3回の連作論考の一遍として、自動車を取り上げる。自家用車所有を前提に成り立ってきた自動車産業は、大きな転換点を迎えている。 人口減少と自動運転により自家用車所有という絶対的な価値観は崩壊しつつあり、自動車OEMには従来とは異なる事業構造が求められている。 将来の日系OEMの自家用車販売台数を予測した上で、自家用車減少時代における新たな事業モデルの可能性を展望する。
自動運転が崩壊させる、OEMの製造販売モデル
自動車産業と聞いて、多くの人がトヨタ自動車や本田技研といった自動車メーカー(以下:OEM)を思い浮かべるように、自動車産業は、自動車の製造・販売を担うOEMを中心に成長してきた。実際、国内の自動車関連産業の売上を、製造・販売と利用フェーズで分けて集計した所、製造・販売フェーズは約7割をしめており、OEMが自動車産業の中心といっても過言ではない。
また、世界販売台数1位を誇るトヨタ自動車が世界のTOYOTAと呼ばれるようになって久しく、日系OEMの事業は自動車産業の中心どころか、日本が世界に誇る事業である。
そのため、自動車産業の未来を考えるとはOEMの将来を考えることに近く、少なくともOEMを抜きに考えることは不可能といっても過言ではない。
では、OEMはどのように変わっていくのだろうか。
例えば、直近のOEMの話題と言えば、中国を始めとした新興EV勢との世界市場での販売競争が印象的である。ただ、販売競争は昨日今日始まった話題ではなく、中国が台頭する前からOEMの話題の中心であった。
それでは、こうした販売競争が、未来永劫話題の中心となるのだろうか。いや、あえて言い換えよう。将来もOEMが行う製造・販売事業が、自動車産業の中心であり続けるのだろか。
我々は、この製造・販売事業の継続性に対して懐疑的である。その一つの拠り所として……
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